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1年生の今月の本


こぎつねボック タイトル こぎつねボック
著者 いまむら あしこ(作) 鎌田 暢子(絵)
出版社 文研出版
 

 こぎつねの ボックは、なんでも やってみたがる おとこのこ。みんなが することなら、なんでも おなじように やってみないと きが すみません。もちろん、まだ ちいさい こぎつねですから、じょうずには できません。じょうずに できないのは、じぶんでも わかっていますが、それを いわれると はらを たてました。
 とうさんは、いいました。「ボック、はたけの くさとりは もう いいよ。おまえは、くさも、とうもろこしの めも、みんな ひっこぬいて しまうから、かなわんよ」かあさんも、いいました。「ボック、せんたくものの とりこみは、しなくていいから、あそんでおいで。ボックが とりこむと、どろだらけだよ」おねえちゃんも、いいました。「にわに みずを まきちらすのは、やめてよ。みずは、おはなに かけるのよ」こまった みんなは、くちぐちに いいました。ひどいことを いっているつもりは ありません。でも、ボックは、いわれるたびに、はらを たてたのです。「みんな、ひどいよっ。ぼく、おてつだいしてるんだよっ!みんな、なんにも させてくれない。ぼく、でていく!ぼく、でていくよっ!」はらを たてて おこっていたのに、なみだが ぽろぽろ こぼれました。
 そして、ちいさいボックは、いえを でていってしまったのです。だれひとり、ボックが ほんきで いえを でていったとは おもいませんでした。ところが、ボックは、いつまで まっても、かえってきません。こんなことは、これまで いちども ありませんでした。

●みんなは慌ててボックを探し回りますがどこにもいません。ボックが向かったのは、決して行ってはいけないと厳しく言われている森を抜ける表の道。みんなの心配をよそに、ボックは実に勇敢に森の中を進んでいきます。そして森で出会う動物たちと話すうちに、ボックは、お父さん、お母さん、お姉さんの思いを想像し、自分の行動を反省するのです。ボックの初めての家出は、ボックを大きく成長させてくれたようです。

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