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1年生の今月の本


まいごのアロー おうちにかえる タイトル まいごのアロー おうちにかえる
著者 竹下 文子(作) 藤原 ヒロコ(絵)
出版社 佼成出版社
 

 よるの7じ。すっかり くらくなった こうえんです。あそんでいた こどもたちは、とっくに かえっていきました。すなばの すなが、がいとうの あかりで、しいんと あおじろく ひかっています。
 すなの山が、とつぜん、むくっと うごきました。むくむく。もこもこ。もりあがった すなのなかから、ひょこっと、あたまが でてきました。もこもこもこ。つづいて、くび。みじかい まえあし。どうたい。うしろあし。さいごに、ながいしっぽ。トカゲ? いいえ、トカゲでは ありません。アロサウルスのアロー。大むかしに ちきゅうに すんでいた、きょうりゅうの なかまです。アロサウルスは、ぜんちょう 12メートル。たつと、2かいのやねに とどくくらい。ほんとはね。でも、アローは、ぜんちょう12センチ。こどもの てのひらに のるくらい。ユウくんが、たんじょうびの プレゼントに もらった、おもちゃの きょうりゅうなのです。
アローは、ちいさい まるい目を ぱちぱちさせて、あたりを みまわしました。「あれえ?おかしいな。ユウくん、どこいっちゃったんだろ」ユウくんは、ときどき、アローを こうえんに つれてきてくれます。きょうは、すなばが あたたかくて きもちよかったので、アローは すなに もぐって あそんでいるうちに、いつのまにか ねむってしまいました。ユウくんは、どうやら、アローのことを わすれて、おうちに かえってしまったようです。

●アローはなんとかして、ユウくんのお家に帰ろうとします。でも、公園に来る時、アローはいつもユウくんのポケットの中。途中の道は、所々しか覚えていません。ふと、見覚えのあるコンビニを見つけたアロー。「おうちはあっちだ」と、道路に飛び出そうとしたそのとき。「こら、まてっ」と後ろからしっぽをぎゅっとつかまれました。おそるおそる振り返ると……。

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