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1年生の今月の本


かげパ タイトル かげパ
著者 富安 陽子(作) しまだ ともみ(絵)
出版社 ひさかたチャイルド
 

 まどから ふきこむ よるの かぜに、ひやりと めが さめた。でんきを つけてみたら、ぼくのかげが こっそり まどから でていくところだった。「おい、ぼくの かげ、どこ いくんだよ」って きいたら、かげの やつ、「うへぇ、みつかったあ」って あたまを かいた。「かげパに いくんだよ。だって こんやは あおい つきの よるだからね」
 ぼくは きいた。「かげパって、なんだよ」ぼくの かげが こたえた。「かげの パーティーさ。せかいじゅうの かげたちが、かげの くにに あつまって、パーティーを ひらくんだよ」「ねえ、ぼくの かげ、ぼくも かげパに つれてって」「しょうがないなあ」ぼくの かげは うでを くんで いった。「きみに たのまれたら、いやとは いえないね。だって ぼくは きみで、きみは ぼくなんだもん」そう いうと、ぼくの かげ、ぼくの てを かげの てで、ぎゅっと にぎった。かげの ては、よるの かぜみたいに ひやりと つめたかった。「いこう!」

●影の手がぼくの手を引っ張ると、ぼくの体も影みたいにふわりと軽くなって、ぼくとぼくの影は、窓から外に飛び出しました。夜空にはサファイアみたいに青く輝く月。あの青い月が影の国の入り口なのです。著者は、妖怪などの不思議な存在をユーモアたっぷりに描いてこられた富安陽子さん。絵本「まゆとおに」シリーズで知っているお子さんも多いかもしれませんね。

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