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1年生の今月の本


ぞろりぞろりとやさいがね タイトル ぞろりぞろりとやさいがね
著者 ひろかわ さえこ(作)
出版社 偕成社
 

 ひとがみんな ねしずまった よるよなか、だぁれもいない だいどころで、ぎぎぎぎ ぎぎぃ―――
 れいぞうこの ドアが、ひらきました。「もう、がまんできない!」そういって でてきたのは、しなびた きゅうりです。「まってくれ、わしも いく。ここにいても すてられるだけだ」つづいて でてきたのは やせほそった ごぼう。めのでた じゃがいもも でてきました。「こんや、わたしたちのような めぐまれないやさいの あつまりが、あるらしい。そこへ いってみよう!」きゅうりの ことばで、やさいたちは ぞろぞろと うらぐちから でていきます。
 そとにでると、あのいえからも このいえからも、ぼろぼろの やさいたちがでてきて、いつしか それは ながいながい れつに なりました。みな、いえのかたすみで わすれられ、たべられるときが すぎてしまった やさいたちで ありました。
やがてみんなは、はたけのすみの あきちに つきました。やさいたちは、おおさわぎです。
「もっと くさくなって、にんげんのはなを まげてやろう!」「どろどろに へばりついて、こまらせてやるわ!」「りょうりに しのびこんで、おなかを こわしてやる!」「よーし!いくぞぉ!」ともりあがった、そのとき……

●人間たちへの恨みを語り、復習を誓った野菜たちの前に現れたのは、ミミズ和尚。「野菜たちよ、そう腐るでないぞ。人間を恨んで悪さをすれば、おまえたちの心が腐ってしまう。心が腐れば、二度とおいしい野菜に生まれ変わることはできんぞ」ミミズ和尚の言葉に、野菜たちはしんみりと聞き入ります。食べ物を粗末にせず、感謝して食べる。野菜たちの声を忘れず過ごしていきたいものですね。

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