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1年生の今月の本


わにのニニくんのゆめ タイトル わにのニニくんのゆめ
著者 角野 栄子(文) にしかわ おさむ(絵)
出版社 クレヨンハウス
 

 アイウエどうぶつえんの えんちょうさんは、あさと ゆうがたに どうぶつえんのなかを みてまわります。たいていは なにごともおきません。でも、この4、5にち、すこし きになることが あるのです。それは、わにのニニくんのこと。えんちょうさんが みまわりにいくたびに、ニニくんは みずから はなだけしか だしていないのです。「たまには おかおをおみせ」えんちょうさんは、かならず こえを かけました。でも、ニニくんは なんのへんじも してくれないのです。なにか ふまんがあるにちがいありません。「ニニくん。どうぶつは、もっと はつらつと してなくてはいけないよ。なにか、ほら、すてきな ゆめぐらい もたなくっちゃ」えんちょうさんは いいました。「いったら、かなえて くれるんですか」ニニくんは、そろりと かおを あげました。「わたしに できることならね」その えんちょうさんの ことばを きいた ニニくんは、きゅうに げんきになって こたえました。「ぼくは いちどでいいから、たって あるきたいんです。おなかがでて みっともないって おっしゃるんなら、えんちょうさんみたいに ズボンも はきます。ネクタイだって しめますよ」

●ニニくんの夢を聞いた園長さんは驚きました。でも夢を持てと言っておいて、ニニくんのお願いを断ることはできません。次の日、園長さんは、ニニくんと腕を組んで、動物園の中を歩き始めました。ズボンとシャツを着て、きちんとネクタイをしめたニニくんは、最高にごきげんです。

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