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1年生の今月の本


だいくとおにろく タイトル だいくとおにろく
著者 松居 直(再話) 赤羽 末吉(画)
出版社 福音館書店
 

 むかし、あるところに、とても ながれの はやい おおきな かわが あった。あんまり ながれが はやいので、なんど はしを かけても、たちまち ながされてしまう。むらの ひとたちは、とんと こまりはてていた。そこで、このあたりで いちばん なだかい だいくが はしを かけることになった。だいくが はしを かける ばしょへ いって、じいっと ながれる みずを みつめていると、ながれの なかに ぶく ぶく ぶくと あわが うかんで、なかから ぶっくり おおきな おにが あらわれた。おには にかっと わらって、「おまえが いくら じょうずな だいくどんでも、ここへ はしは かけられまい。けれども、おまえの めだま よこしたら、おれが おまえに かわって、その はし かけてやっても ええぞ」といった。だいくは、「おれは、どうでもよい」と、いいかげんな へんじをして、うちへ かえった。
 つぎのひ、だいくが かわへ いってみると、なんと、まあ、はしが はんぶん かかっていた。そして、その つぎのひには、もう ちゃんと りっぱに はしが できあがっているではないか。だいくが あきれて みていると、おにが あらわれ、「めだまを よこせ」という。にげだす だいくの うしろから、おには おおごえで どなった。「そんなら、おれの なまえを あてれば ゆるしてやってもええぞ」

●古くから読み継がれている昔話です。物語の展開が早く、テンポよく進んでいくので、どんどん物語の世界に引き込まれていきます。読み聞かせはもちろん、だいくとおにの掛け合いが面白いので、ぜひ親子で役になりきって音読して楽しんでいただきたいです。

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