ミツオとノンコは、ふとんの中で、まだひそひそとおしゃべりをしていました。あしたは遠足です。お母さんが子ども部屋を出ていった後も、むねがわくわくして、なかなか眠れないのです。

　 ミツオがふざけて、ピープーとくちぶえをふきました。
「くちぶえはだめ、おにいちゃん」
と、ノンコがしかりました。
「夜にくちぶえふいたら、どろぼうがくるって、おばあちゃんが言ってたじゃない」

　するとミツオは、わざともう一度、ピープーとふいてみせました。

　 そのとき、ベランダの方で、何かへんな音がしました。すると今度は、ガラス戸を、コンコンとたたく音がはっきりと聞こえます。ミツオがカーテンをそっとあけると……。