おかあさんカンガルーの ケイティには、ほかのカンガルーの おかあさんたちのように、おなかに ポケットが ありません。小さなぼうやの フレディを、どこにも つれていくことができず、ポケットのことを かんがえるたびに かなしくなります。ところが、あるとき、ケイティは いいことを おもいつきました。――ほかの どうぶつの おかあさんは、どうやって 子どもを はこんでいるのかしら。ポケットなんか ないのに――
　ケイティは、さっそく、ワニの おかあさんに ききに いきました。すると ワニは いいました。「そりゃあ、おんぶよ。こんなふうにね」ケイティは、目を まんまるにしました。かんたんだから、きっとうまくいくとおもった ケイティでしたが、まず フレディが おかあさんの せなかに のるまでが たいへんでした。ひざが つっかえてしまうし、やっと のっても まえあしが みじかいので うまくつかまっていることができません。なんとか つかまって、ケイティが とびはじめると、フレディは すっとん！おっこちて ひっくりかえってしまいます。カンガルーに おんぶは むりなようです。ケイティは、べつの どうぶつに きいてみることにしました。