ぼくは、そうた。小学校の一年生。ひと月前、じいちゃんがぼくの家にやってきて、一緒に暮らすことになった。しかし、このひと月、おじいちゃんとしゃべったことはほとんどない。おじいちゃんは、顔もおっかないし、あまり笑わないんだ。

　 夏休みが半分ほど過ぎた頃、一通の手紙がじいちゃんにきた。差出人の名前は、こう書いてあった。

＜ネコジャラシはらっぱのモグラより＞

　 ぼくはびっくりした。ぼくは、モグラの手紙が見たくて、じいちゃんがいない間に、こっそりその手紙を読んだ。

　 どうやら、昔、じいちゃんがモグラに親切にしてくれたお礼をしたいようだ。ぼくは、わくわくしてきた。