ある家の屋根裏に、ねずみがたくさん住んでいました。その中で一番小さくてやせているのが、ガリガリです。ガリガリはねずみが大嫌い。だって、ねずみのやることってひどすぎます。何でもかんでもかじりまくって。ガリガリは、ねずみでいることがもういやになりました。

　 こうして、ねずみをやめたガリガリは歩き始めました。どんどん歩いていくと、あひるたちに会いました。

　 ガリガリは勇気を出して言ってみました。
「仲間に入れて」
　あひるたちは驚いて、ガリガリをじろじろ見て言いました。
「あひるらしくしたら遊んであげる」

　 ガリガリは一生懸命あひるらしくしました。しかし、どうしたって、ねずみのガリガリが、あひるになれるはずはありません。ガリガリは、あひるをやめて、また歩き始めました。