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1年生の今月の本


きつねのきのじ タイトル きつねのきのじ
著者 森山 京
出版社 ポプラ社
 

 きつねの子は、もうすぐ1年生。同い年のりすの子も、うさぎの子も、もう名前を書くことができます。きつねの子は、うらやましくてたまりません。

「おとうさん、字を教えてよ。きつねって字」
 おとうさんに頼んでも、
「もうすぐ1年生だろう。字は、学校で教えてくれるよ」
と、とりあってもらえません。
「だって、りすちゃんは、もう“りす”って書けるんだ。うさぎちゃんも“うさぎ”って書けるんだ。ぼくだけ何にも」
 きつねの子は、悲しくなりました。

  すると、おとうさんは、紙に「き、つ、ね」と書いて、それをわたしてくれました。
「ほら、きつね。 ぼくのき、つ、ね」
 喜んだきつねの子は、だれかに出会うたびに、その紙を見せました。

  ところがある時、風がさーっとふいてきて、「き、つ、ね」の紙を川の上にとばしてしまいました。

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