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1年生の今月の本


バナナパイ、すき? タイトル バナナパイ、すき?
著者 長崎 夏海
出版社 講談社
 

 さようならのあいさつがすむと、ゆいのところに、まきのくんがきた。
「うちにかえたら、すぐきてね」
 まきのくんは、ゆいの顔をのぞきこんでいった。朝からこれで、五回目だ。ゆいは、ちょっといやな顔をした。
「ほんとにきてね」
 まきのくんは、しつこい。
「わかったってば」
 ゆいが、おこったみたいにいうと、まきのくんの口が、への字になった。まきのくんは、すぐ泣くんだ。おにごっこのおにになったって、ないちゃう。しかもすごく大声。先生やママにきこえるように、わざと大声でなくんだって、みんないってる。まきのくんは、なきそうな顔のまま帰っていった。

  ゆいは、なんだかまきのくんのうちに行くのがいやになった。だけど、もう約束してしまった。それにこの間、まきのくんのママにだっておねがいされたんだ。
「ヒロくんは、外で遊ぶの苦手だからお友だちが少ないの。ゆいちゃん、なかよくしてあげてね」
 ゆいは、まかせてって答えた。たよりにされてるんだから、うらぎれない。

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