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1年生の今月の本


キツネのまいもん屋 タイトル キツネのまいもん屋
著者 富安 陽子
出版社 新日本出版社
 

 朝からふっていた雪が、お昼をすぎてやみました。

 ひさしがおせんべをかじりかじり、ぐしょぐしょの雪道を歩いていると、ススキの原っぱの中を、キツネの子が一ぴき通りかかりました。そして、ひさしのおせんべをチラリと見ると、立ち止まりました。

「おせんべ半分くれたら、ええとこへ連れてったるのになあ」
「ええとこって、どこやねん」
「おせんべ食べてからでなくちゃ、教えられへん」

  ひさしは食べかけのおせんべを半分、キツネにやりました。 

  キツネは、
「ほんまはごまのついたのの方がすきなんやけどねえ」
と、えらそうに文句を言いながら、おせんべをさっさと食べてしまうと、いきなり原っぱの中へかけ出しました。
「あっ!」
 ひさしもあわてて後を追いかけます。

  たどりついたのは、壊れかけた小さな小屋。
「おかしやさんや!」
 なんとまあ、そこは、キツネのまいもん屋(だがし屋)だったのです。

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