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1年生の今月の本


アフリカ ないしょだけどほんとだよ タイトル アフリカ ないしょだけどほんとだよ
著者 竹下 文子
出版社 ポプラ社
 

 アフリカのナイル川っていうところに、一ぴきのワニが すんでいた。ワニは、ずっと 長い間、ひとりぼっちで くらしていた。きょうだいもいなければ、友だちもいなかった。

  ほかの動物たちは、みんな、ワニのことを、つきあいにくいやつだとおもっていた。

  だって、ワニは、いつも 機嫌の悪そうな顔をしていて、みんなが
「おはよう」
「いいおてんきだね」
っていったって、横目で「じろっ」 とにらむだけだもんね。それに、その大きな口と、するどい歯。ワニが口をあけると、シマウマもガゼルも
「きゃっ」
てとびあがって、にげていってしまう。

  でも、ワニは、べつに
「たべちゃうぞ!」
っていうつもりじゃない。

  ほんというと、ワニは、みんなと 仲良しになりたかったんだな。でもワニって動物は、おしゃべりがにがてなんだ。それに、こんな顔だからね。
「にこっ」としようと思っても、ついつい「じろっ」になってしまう。だから、ワニはいつもひとりぼっちで、水の上に目だけのぞかせて、だまってじいっとしてたんだ。

 そんなある日のこと、川ぎしの木の上に、サルの子どもがいてね。その下で、ワニがぱっくりと口をあけてとっても大きなあくびをした。

 サルの子はあんまりびっくりしたんで、もっていたバナナを、おっことしちゃった。バナナは、大きくあいたワニの口の中に、ぽとん。さあ、どうなったと思う?

●アフリカの色々などうぶつたちのないしょの話が面白おかしく語られています。ひとりで本を読み始めたお子さんが楽しみながら気軽に読める作品です。

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