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1年生の今月の本


源吉じいさんとキツネ タイトル 源吉じいさんとキツネ
著者 なるみや ますみ
出版社 ひくまの出版
 

 町から山を五つこえたところに、村が一つありました。その村のぽつんとたった、ひらべったい家が源吉じいさんのすまいです。源吉じいさんは、いつもひとりぼっちでした。たった一人のむすこは、町にあこがれて出て行ってしまい、それからというもの、源吉じいさんは、すっかりへんくつな人間になってしまいました。おまけに、たいへんケチなので、みんなから「げんけち」とよばれていました。

 源吉じいさんは、みごとな柿の木をもっています。今年も柿の実がたくさんなりました。しかし、その柿を、いつもねらっているものがいました。うらの山にすむ、キツネです。 キツネはあれこれと、柿をぬすむ方法をかんがえました。キツネが、源吉じいさんの家の中をのぞきこむと、タンスの上に色あせた写真が見えます。
「あれが、でていったむすこだな」

  キツネは、いいことをおもいつきました。そして、むにゃむにゃと、まじないをとなえました。すると、キツネはキリリとしたわかものになったのです。

  夕方、源吉じいさんが帰ってくると、キツネは言いました。
「ぼくは、じいちゃんのまごです。タロウといいます」

  さあ、源吉じいさんはその言葉にどうこたえるのでしょうか?

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