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2年生の今月の本


つめのなかのきんぎょ タイトル つめのなかのきんぎょ
著者 長崎 夏海
出版社 ポプラ社
 

 朝、ひろきが教室に入ると、ばってんひょうの前に、りょうたたちが集まっていた。
「ひろくん!」
 りょうたが、わくわくした顔でよんだ。
「いま、ひろくんのうわさしてたとこ。あといっこで、ばってんがてっぺんまでくるんだよ」
「げっ」
 ひろきは、ばってんひょうを見た。ヤバイなっていおうとしたら、
「すごいねえ」
 かんしんしてる声だ。
「すごい? ばってんが?」
 ひろきがきくと、りょうたはうんとうなずいた。
「すごいよ。だって一番だもん」
 そうか、すごいのか。ひろきがにやっとしたとき、たくやがいった。
「ライバルはしみずさんだな」
 女の子のひょうをみたら、しみずさんのところも、ばってんがとびでていた。
「えいせいけんさで、毎日ばってんなんだぜ」
 たくやは、あごで しみずさんの方をさした。みんなが、いっせいにしみずさんのほうを見た。

 しみずさんは、しずおかけんから来たてんこうせい。おとなしくて、だれかとさわいだり、しゃべったりしてるのをみたことがない。いまも、一人でせきにすわってノートを見ていた。

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