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2年生の今月の本


クジラのハンフリー タイトル クジラのハンフリー
著者 ウェンディ=トクダ・リチャード=ホール
出版社 国土社
 

 1985年10月10日、ザトウクジラのハンフリーは、なかまからはぐれて、サンフランシスコわんの中をさまよっていました。とつぜん、大きなクジラを見たみんなはびっくりし、ハンフリーが水の上に上がってきて、「ブォーッ」としおふきをするたびに、思わず見とれていました。

  それからハンフリーは、どうしたことか、海へもどらずに、サクラメント川を上りはじめました。大きな川も、だんだんはばがせまくなっていきます。
「クジラが川でおよいでいるぞ!」
 見物人がぞくぞくと集まってきました。ハンフリーが水の上に顔を出すたびに大さわぎです。

  でも、もともとクジラは海の生きものです。ま水の川の中では、そう長くは生きられないはずです。ハンフリーが川をさかのぼっていけばいくほど、みんな心ぱいになってきました。ちゃんと何か食べているんだろうか。びょう気なんかじゃないだろうか。せまい川でおよげるんだろうか……。

  ところが、ある日、ハンフリーは、せまいはしげたをすりぬけて、さらに上流に行ってしまいました。そしてとうとう、農場のまん中の、小さな流れの中に、とじこめられてしまったのです。ハンフリーはくるしそうでした。このままでは、ハンフリーはしんでしまいます。早く! 早く! たすけなくては…!

●これは、『ハンフリー』というクジラが、大しっぱいしたときの、ほんとうにあったお話です。一つのいのちをすくうために、おたがいのことをよくしらない人たちが心を一つにしていくすがたに、いっしょにハラハラし、いっしょになやみ、いっしょに感動し……。心の中にジワーっと、あたたかいものを残してくれるお話です。

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