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> あくまのりんご
タイトル | あくまのりんご | |
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著者 | ふなざき よしひこ | |
出版社 | 秋書房 | |
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こがらしのふきつけるこうやを、一人の年おいた男が、うなだれてあるいていました。男は、あくまでした。けれど、このあくまがまほうをつかうことができたのは、もうずっとむかしのこと。いまは、すっかり力もなくなって、どこへゆくあてもなく、一人さすらいのたびに出ていたのです。 「ああ……。はらがへったなあ。」 そのとき、つむじかぜのむこうから、人かげがあらわれました。ジプシーの少女でした。少女は、あくまにかけよってきます。 けれど、そのことばは、ほんとうは『すきをみて、おまえを食べてやろう』といういみだったのです! ●おなかをすかせていた悪魔は、思わぬところで“食料”に出会いました。しかし、悪魔には 「この子はきっと、母親と二人、くらしやすい土地を求めてたびに出たにちがいない。この子はおれとおんなじだ。こんな子をとって食うなんて、おれにはとても……。」という心がめばえてしまいます……。 |