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2年生の今月の本


オバケちゃん学校へいく タイトル オバケちゃん学校へいく
著者 松谷 みよ子
出版社 講談社
 

 森のおくの、けやきの木のねっこにある、ほらあなに、おばけのかぞくがすんでいました。パパおばけと、ママおばけと、その子どものオバケちゃんです。おばけたちは、そこで、だれにもじゃまされず、また、だれのじゃまもせず、しずかにくらしておりました。

 あるばんのこと、オバケちゃんが森の中で火の玉になってあそんでいると、とつぜん、
「いたっ! やっぱりほたるだ。」
と、大ごえがして、ベレーぼうをふりおろされました。オバケちゃんが、
「わっ。」
といってとびあがると、
「わっはっは。」
そのあいてがわらいだしました。そのこえは、友だちのベレおじさんでした。
「いや、ごめんごめん。じつは、いまごろほたるはいるか、いないか、そればかり考えながらあるいていたもんでね。ついまちがえちゃったんだ。」 
「なあに? ほたるって。いまは夏じゃないよ。まだ春のはじめだもん。ほたるなんていないよ。」
「そうだろ? それがいたんだよ。小学校にさ。きのうのま夜中、もうすぐとりこわされるっていう古い校しゃのまわりに、ちらちらほたるがとんでいたんだ。へんだろ?」
「うん、へんだ。」
  ……。

 ベレおじさんとわかれてから、オバケちゃんはとつぜんけっしんしました。もうすぐとりこわされることになっているという古い校しゃ。まだ春のはじめだというのに、とんでいるというほたる……。
「いってみようっと!」

●学校には、ベレおじさんのいうとおり、ほたるみたいに光るものが、あちらにも、こちらにも、ちらちらとまたたいていました。しかし、その正体は、ほたるではなく……。

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