ひろくんが、学校からかえってくると、お母さんが出かけるよういをしていた。
「おかえり。お母さん出かけてくるから、るすばんよろしくね。」
　ひろくんは、あわてた。だって、お母さんは妹のミカをおいて行こうとしてるんだ。
「ちょっとまってよ。ミカは？」
「おひるね中。おこしてつれて行ったらかわいそうでしょ。」
「だめだよ。むりだよ。ねえ、にいちゃん。」
　ユウイチにいちゃんにたすけをもとめたら……。
「いいよ。お母さん、早く行きなよ。だいじょうぶだから。」
　な、なんだよ、かっこつけちゃって！

　 しばらくすると、にいちゃんが、にこにこがおでぼくに言った。
「ひろ、このあいだ、シャイアンのキラカードがほしいって言ってたよな～。」
「うん！」
　ぼくは、思わず力をこめてうなずいた。
「あのさ、キラカードやるから、一人でるすばんしてくれない？」
「ええっ。いやだよ。ぼく一人じゃ、ミカのめんどうみられないよ～。」
「じゃ、ふつうカードも三まいつける」
「三まい？　うーん……。」
　 キラカードにふつうも三まい。すっごくほしい……。