その店は、世界中で一番大きくて、またとない、ふしぎですてきなペットショップでした。なにしろ、船のかたちをしていて、店のなまえが〈ノアのはこ船〉というのです。この名まえは、店を経営するノア夫婦が、聖書にある伝説にちなんでつけたものでした。〈ノアのはこ船〉は、広い広い公園のまん中に、でーんとそびえていました。ここには、世界中のペットというペットが、なんでもそろっていました。これまで、たいていの望みはかなえてきた、ノア夫妻ですが、子どもがいないのが、たったひとつのなやみでした。

　 こちらはソフィー。もうすぐ七歳の誕生日をむかえます。七というのは、運のいい数字です。願いごとがかなうかもしれません。ソフィーの願いごとは、三つありました。一つは、ペットがかえますように。二つ目は、いとこができますように。三つ目は、いつもマンションのまどからながめていた、あの〈ノアのはこ船〉にいってみたいという願いでした。

　そして、ついにその三つ目の願いがかなう日がやってきました。