きゅうしょくのじかん、ぼくはパンをかじりながら、けさのことを思い出した。「あした、わたしのたん生日や。」お母ちゃんがカレンダーを見て、大きなこえでいったんだ。となりのせきのみどりちゃんは、お母さんのたん生日にピンクのエプロンをあげるらしい。スーパーロントンに、かいに行くんだって。

　 学校がおわると、ぼくは走っていえに帰った。そして、ドアをいきおいよくあけて、どなった。「たもつ、ロントンに行くぞ！」「ええっ！」弟のたもつがおきあがった。ぼくらは、お父ちゃんとお母ちゃんにきつくいわれている。「ロントンへ行ったらあかん」って。お母ちゃんがロントンの１かいのレジではたらいているからだ。
「だいじょうぶ。見つからんようにしたらええんや。それに、きょうはとくべつや。お母ちゃんにプレゼントを買うんやから」ぼくとたもつは、ロントンへむかった……。