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> かげまる
タイトル | かげまる | |
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著者 | 矢部 美智代(作) 狩野 富貴子(絵) | |
出版社 | 毎日新聞社 | |
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かげまるは、元気なかげの子どもです。五年前、けんたくんが生まれたとき、けんたくんのかげの中に生まれました。そして、それからずっと、けんたくんのかげの中にすんでいるのです。けんたくんとかげまるは、いつもいっしょの、いちばんのなかよし。たくさんあそんで、たくさんおしゃべりをしてきたのです……。 でも、このごろ、かげまるが話しかけても、けんたくんはぜんぜんへんじをしてくれません。かげのせんぱいのシャドウさんにそうだんすると、シャドウさんはふーむ、ふーむとうなりました。 「そうか、かげまるもけんたくんも、もう、そんなに大きくなったのか。ようちえんや、こうえんで、ほかのなかよしがたくさんできたからね。もう、かげまるの、かげとしてのやくめはおわった、ということだ。」 かげまるがさけぶと、シャドウさんは、じっと何かを考えてから、うなずきました。 「それでは、旅に出ろ。いろんなかげの中でいろんなことを考えて、がんばって一人前のかげになったら、かえってこい。」 そういって、シャドウさんはかげまるをつまみ上げると、すれちがった子犬のかげに、ぽーんとなげいれました。こうして、かげまるは旅に出たのです。 ●一人前のかげになって、大好きなけんたくんに、また気がついてもらえるようになりたい。――そう思って、かげまるはいろんなかげの中でくらしてみます。……でも、「一人前のかげ」ってどんなかげなのでしょうか。 |