ハルオは毎日、同じ１年生のケンタと、４年生のリョウくんといっしょに学校へ行きます。今日もハルオは、待ち合わせ場所のカツラの木の下にむかいましたが、いつもまってくれているはずのケンタとリョウくんがいません。
（ぼくのほうが、はやかった！）
　ハルオはそう思って、ちょっといい気もちがしたとき、ずっと先のほうで、ケンタとリョウくんがふざけている声が、はっきりと聞こえたのでした。
（ああっ、先に行っちゃったんだ！）
　ハルオは、かっとあつくなり、一気にかけ出しました。
（いっしょに行くきまりじゃないか。なんで、先に行くんだよぉ。）
　ハルオはふたりをおいかけて走りましたが、いくら走っても、いくらよんでも、ふたりにはおいつきませんでした。そうしているうちに、いつのまにか、学校に着きました。しかし、なんだかいつもと様子がちがいます。