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2年生の今月の本


キツネのかがみをのぞいてごらん タイトル キツネのかがみをのぞいてごらん
著者 茂市 久美子
出版社 あかね書房
 

 秋晴れの日曜日。朝早くから、大勢の人が高原の秋を楽しみにやってきました。おかげで、昼になると、レストラン「小さなトマト」には、いつもより多くお客さんがみえました。コックの正太さんは、大忙しです。

「ああ、ネコの手でもいいからかりたい」
 正太さんは、何度もつぶやきました。お昼が終わると、今度は、三時のお茶を飲みにやってくるお客さんのために、焼きりんごの準備を始めました。30分位たって、正太さんが、焼きあがったりんごを取り出していた時です。ゆげでくもったまどガラスごしに、小さな顔がぼんやりとかすんで見えました。
(村の子かな?)
 正太さんがせきばらいをすると、小さな顔はすっと消えました。

  その日の夜、店を閉めた正太さんは、今日一日の疲れから、椅子に座ったまま眠ってしまいました。しばらくたって、正太さんは皿がカチャカチャふれあう音で目を覚ましました。音のするほうを見ると、一人の男の子が、せっせと皿やカップを洗っています。

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