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2年生の今月の本


なまえをみてちょうだい タイトル なまえをみてちょうだい
著者 あまん きみこ(作) 西巻 茅子(絵)
出版社 フレーベル館
 

 えっちゃんは、おかあさんに、赤いすてきなぼうしをもらいました。ぼうしのうらを見ると、青い糸でちゃんとなまえがししゅうしてあります。
「う、め、だ、え、つ、こ。うふっ。ありがとう」
 えっちゃんは、ぼうしをぎゅうっとかぶると、さっそくあそびに出かけることにしました。えっちゃんが門を出ると、つよい風がふいてきて、いきなりぼうしをさらっていきました。
「こら、ぼうし、まてえ」
 赤いぼうしは、りぼんをひらひらさせながら、のはらのほうにとんでいきます。のはらには、赤いぼうしをちょこんとかぶったきつねがいっぴき立っていました。
「それ、あたしのぼうしよ」
 すると、きつねはすましてこたえました。
「ぼくのだよ」
「あたしのなまえが書いてあるわ。なまえをみてちょうだい」
 きつねは、しぶしぶぼうしをぬいで、なまえのところをみせました。
「ほうら、ぼくのなまえだよ。のはらこんきち」
 なるほど、きつねのいうとおり。ほんとうにそうみえます。

●赤いすてきな帽子をもらったえっちゃん。自分の名前が刺繍してあるのを見て、嬉しさが込み上げてきます。それなのに、えっちゃんの赤い帽子は、風に飛ばされて、次々と色んなひとの帽子に変わってしまうのです。温かな春の陽気を感じさせるお話です。

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