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2年生の今月の本


子ぎつねのおくりもの タイトル 子ぎつねのおくりもの
著者 小林 しげる(作) 新野 めぐみ(絵)
出版社 国土社
 

 ぜんさんは、海でほった貝を、町や村にうってあるくのを、しごとにしています。あさ、
「ふふふ、おちびちゃんたち、きょうもきてくれるかなあ。」
 ぜんさんは、たのしそうに、けいトラックをはっしゃさせました。山の村にある神社のまえに、車をとめると、ぜんさんは、あさり貝をうりはじめました。

  しばらくして おきゃくさんがいなくなると、小さな男の子と女の子が、
「貝ちょうだい!」
と、とびだしてきました。ふたりのおしりには、ふさふさのしっぽが、プーラリ、プラリ。こぎつねのきょうだいでした。お金も ほんとうは木の葉です。
「ははは、かわいいもんだ。しっかり、ばけているつもりなんだから。」
 ぜんさんは、目をほそめて、貝をわたしてやりました。

  ある日、そのこぎつねたちが、神社のそばでいそがしそうにはたらいています。
「なにをしているんだい?」
と、ぜんさんがたずねると、
「ぼくたち、あさりが 大すきなんだ。それで たくさん たべられるように、貝をうえたの。」
と、とくいそうに おしえてくれました。あさりのめなど、でるはずがありません。
「こぎつねたちが がっかりしてはかわいそうだ。」
と、ぜんさんは、あたまをひねりました。

●考えた結果、ぜんさんは、畑にトマトの種をこっそりとまきました。その芽が出たのをみて、こぎつねたちは、あさり貝の芽がでたと大喜び。そんなこぎつねを見て、ぜんさんもうれしい気分になりました。しかし、こぎつねたちがあさり貝の実がなるのをあまりにも楽しみにしている様子に、ぜんさんは、トマトの種をまいてしまったことを後悔し、次第に元気がなくなっていくのでした。

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