ケンゴはもうすぐ七歳。今年は誕生日プレゼントを自分で決めてもいいと言われ、大喜びです。ケンゴは何にしようか、一生懸命考えました。

「ああ、ピョンタ、困っちゃったよ。ぼく、欲しい物いっぱいあるんだ」
　ケンゴはウサギのピョンタに話かけました。

　 夜、お父さんが聞きました。
「プレゼント決まったかい？」
「ううん。プレゼント選ぶのって、本当に難しいんだね」
　ケンゴは答えました。
「そうだろう。始めて自分で選ぶんだから、これしかないって思えるものが見つかるまで、ゆっくり探せばいいんだよ」

　次の日から、ケンゴは毎日足が痛くなるまで町を歩き、たくさんの店を見て回りました。そうこうしているうちに、とうとう誕生日になってしまいました。ケンゴが町を歩き回っていると、文房具屋さんと本屋さんの間に小さな店がありました。
「あれっ、こんなところに店ができたんだ」
　ショーウィンドーを見ると、中にはいっぱいぬいぐるみがかざってあります。ケンゴは店の中に入ってみることにしました。