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2年生の今月の本


お父さんのVサイン タイトル お父さんのVサイン
著者 相馬 公平(作) 福田 岩緒(絵)
出版社 小峰書店
 

 さんかん日の日、「とくいがいっぱい」という こくごのじゅぎょうのあと、先生がいいました。「だれにでもとくいなことってあるよね。きょうはせっかくだから、お母さんやお父さんのとくいはなにかきいてみましょう。」
 にちようだいく、お花をそだてること、あんざん、あみもの、いろんなとくいにみんな大はくしゅです。さあ、つぎはあいのお父さんがこたえるばんです。(お父さん、なんてこたえるかなあ?) あいのむねはドキドキしていました。でも、もっとドキドキしていたのは、お父さんのほうです。ふとっていてあがりしょうのお父さんは、よく見ると、あつくないのにはなの頭にあせをかいています。「えーと、えーと」ことばにつまりながら、お父さんはやっとはやくちでいいました。「とくいなのはかけっこかな。ときょうそうはいつもいちばんでした」すると、みんなはいがいだったのか、すこしのまがあいたあと、いままででいちばん大きなはくしゅがおきました。(へえーっそうだったんだ。お父さんは、そんなすごいこと、わたしにかくしてたんだ。)
 それから一か月くらいたった、五月のある日、あいは、会社からかえったお父さんににこにこしながらいいました。「お父さん、かっこいいとこ見せられるよ。うんどう会でお父さんたちのリレーがあるんだって。ぜったいでてよね。わたし、みんなにやくそくしちゃったよ。」「や、や、やくそくしちゃったって!……」お父さんは、千メートル走りおわったみたいな顔になっています。お父さんがあせったのもむりはありません。たしかに、お父さんはかけっこがとくいでしたが、それはあいとおなじ小学生のころのはなしで、いまは、たいじゅう九十六キロ。会社にはいったころからだんだんふとりだして、今は五十メートル走ってもいきぎれしちゃうくらい走ることがにがてになっていたのです。

●太ってしまって、今はかけっこが大の苦手なお父さんですが、あいに恥をかかせるわけにはいかないと思い、リレーに挑戦しようと決意します。運動会まであと二週間、つぎの日からお父さんとあいのとっくんがはじまりました。ラストは最後まで全力を出し切ること、あきらめないことの大切さが伝わってくるお話です。

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