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2年生の今月の本


赤いマントをほどいた日 タイトル 赤いマントをほどいた日
著者 香山 美子(作) 鈴木 義治(絵)
出版社 フレーベル館
 

森の小さないえにまほうつかいのおばあさんがすんでいました。おばあさんはまい日まい日赤いまほうのマントをきて、まほうばかりかけていたので、もうすっかりあきてしまいました。そこでこんどはマントをほどいて、まほうをとくおばあさんになってみようとおもったのです。ところが、マントの赤い毛糸をぜんぶほどいてしまうと、気がつきました。「あらら らららら。これはたいへん」おばあさんはながいあいだまほうをかけてばかりいたので、まほうをとくことばをすっかりわすれてしまっていたのです。
「たしかたしか、あららのアの字がつくことばだったよ。アのつぎはピ、それとも……」こまったおばあさんは、おちゃでものみながらひと休みすることにしました。おさらとコップとスプーンをテーブルにのせると、すると、おもい出しました。おもい出したのがうれしくて、おばあさんがそのことばを大きなこえでさけびました。すると、どうでしょう。とだなの中のおさらと、テーブルのおさらが、そろっていちどにみんなぱっときえて、森中の木の下にきのこが生えました。「まあわたしのおさらはきのこだったのね」ほかにも、おばあさんがまほうのことばをおもい出すと、スプーンやコップ、テーブルなどがつぎつぎともとのすがたになっていきました。

●なんと魔法使いのおばあさんの家にあるあらゆるもの――お皿、スプーンからテーブルなどの家具にいたるまで――は、かつておばあさんが魔法をかけて変えてしまったものでした。言葉を思い出すごとにどんどん魔法をとき、元通りの姿になっていきますが、最後におばあさんのもとに残るものはあるのでしょうか。

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