今から５０年もむかしの、わたしが８歳のクリスマス・イブのことです。
「今年は、サンタさん、なにをプレゼントしてくれるのかなあ」とわくわくしていたわたしに、姉のベティがくすくすわらっていいました。
「メリーはなんにも知らないのね。サンタクロースなんて、いないのよ」

わたしはしんじられませんでした。もしもサンタクロースがいないとしたら、去年のオルゴールは、おととしのテディベアは、だれが届けてくれたというのでしょう？
ベティの言葉がショックで、サンタクロースがいるのか、いないのか――。ほんとうのことが知りたくて、わたしは雪がちらつく中、おばあちゃんの家に向かって自転車をはしらせました。