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2年生の今月の本


バイバイおやゆびゆきだるま タイトル バイバイおやゆびゆきだるま
著者 かさい まり(作) 本信 公久(絵)
出版社 岩崎書店
 

 ふんわりあたたかいゆきのひ。ちいさなこうえんで、おんなのこがおやゆびくらいのゆきだるまをつくった。うっすらゆきのつもったブランコのうえにそっとおくと、「バイバイおやゆびゆきだるま」と、やさしくいってかえっていった。
 まよなか。だれもいなくなったこうえんで、つきのひかりにてらされて、ゆらゆらうごくちいさなかげ。それはおやゆびゆきだるま。ぴょんぴょんとんだり、ころころしたり、すべりだいですべったり。
 あさ。めがさめると、おひさまはそらたかくあがっている。こんどはなにをしてあそぼうかとおもっていると、ゆきだるまは、こうえんのすみにじぶんよりすこしおおきなゆきだるまをみつけた。
「いっしょにあそぼう」と、さそってみたけれど、「ぼくはここでじっとしてる。おひさまにあたってとけるんだ」ゆきだるまはおどろいた。「とけるとどうなるの?」「どうなるって、そらにかえるのさ。おひさまがはなしかけてくれるんだ。そうすると、あったかくてさいこうにいいきぶんになるんだよ」「そんなのいやだ。ぼく、まだいっぱいあそびたい。とけたくないよ」おやゆびゆきだるまは、かなしくなってぴょんぴょんときのかげやすべりだいのしたにかくれた。すると、そこにくろいねこがやってきて…。

●せっかくゆきだるまに生まれたのに、やがてとけてしまうことを知り、おやゆびゆきだるまは悲しみます。まだたくさん遊びたいのに……。「ぼく、とけないゆきだるまになりたい」というゆきだるまを、くろねこはある場所へと導きます。そこでの経験を通して、ゆきだるまはゆきだるまとしての生き方を見直すようになるのでした。

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