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2年生の今月の本


ていでん★ちゅういほう タイトル ていでん★ちゅういほう
著者 細川 貂々(作) いとう みく(絵)
出版社 文研出版
 

 でっかい音がして、電気がきえた。テレビもきえた。「な、なに?」ぼくは、カルピスの はいったコップをもったまま、かたまった。「ゲーン!ふざけないで、電気つけて!」おふろばから、ねえちゃんの キーキー声がとんできた。「ぼく、なんにもしてないよお〜。」「ゲン。」「ん?」ふりかえると、ドアの前に青白い光が ぼわーんとうかんでた。「うわあ。」お、おばけ!「やだ、こっちがびっくりするでしょ!」よく見たら、光のなかにいるのは、ケータイをもった ねえちゃんだった。「ていでんだね。」ねえちゃんは、まどを あけて言った。ぼくんちは、マンションの九かい。いつも まどから見える ぴかぴかな町が まっくらだ。ザザザザーって音がして、カーテンがマントみたいにぶわっと広がった。「ねえちゃん!」ひしって しがみついたら、「あついから くっつかないで。」だって。ねえちゃんは、ぼくをおしのけて「かいちゅうでんとう どこだっけ。」って言いながら、キッチンのほうに いっちゃった。おかあさん まだ会社かな、おとうさん はやくかえってこないかな……。ぼくは まっくらななかで、大きく いきをついて、クッションを ぎゅっとした。

●お父さん、お母さんの仕事中、一年生の「ゲン」と、五年生の「ねえちゃん」の二人きりの夜に家が停電になってしまいます。いばりんぼうですが、優しく、暗い所の苦手なお姉さんの為に、ゲンはある決断をします。姉弟のお互いを思い合う姿がとても微笑ましいです。

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