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2年生の今月の本


おじいちゃんの目、ぼくの目 タイトル おじいちゃんの目、ぼくの目
著者 P・マクラクラン
出版社 文研出版
 

 ぼくはおじいちゃんの家が、一番のお気に入り。そのわけはね、おじいちゃんの家にいくと、何でもおじいちゃんの目で見られるからさ。ぼくのおじいちゃんは目が見えない。だから、おじいちゃんだけのやり方で、色んなものを見るんだ。

  朝になると、お日さまがカーテンを通りぬけて、ぼくの目にとびこんでくる。まぶしくって、ぼくはシーツの中にもぐっちゃう。でもね、お日さまは、おじいちゃんを違うやり方で、起こすんだよ。おじいちゃんが言うにはね、お日さまはあたたかい光の指先で、そっとふれるんだって。おじいちゃんをあたためて起こしてくれるんだ。ぼくが、部屋をのぞくと、おじいちゃんはもう起きていた。

「おはよう、ジョン」
「おばあちゃんは、どこ?」
「ナナかい? 目をとじてごらん。わしの目になって、見るんだよ」
 目をとじると、聞こえてきたよ。階段の下から今まで聞こえなかったおなべのガチャガチャいう音や、水の流れる音が……。そう、おばあちゃんは、台所で朝ごはんを作っているんだ。

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