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2年生の今月の本


ゆきおと木まもりオオカミ タイトル ゆきおと木まもりオオカミ
著者 いぬい とみこ
出版社 理論社
 

 オオカミ原っぱは、ゆきおたちのさいごの原っぱでした。さいごの……というのは、まわりに家が押し寄せてきて、楽しく遊べる原っぱが、ここだけになってしまった、という意味です。

  ある日、ゆきおはローラースケートを持って、オオカミ原っぱへ行きました。今日はまだ、誰も来ていません。ゆきおは、ローラースケートをつけて、石ころだらけの道を歩きました。大きなケヤキの下まで行った時、つまずいてころびました。その時、ケヤキの木の上で、だれかが「ぐっふふふ」と笑いました。黒っぽいネコらしいものが、こっちを見ていました。

「なんだい、ネコ!」
 ゆきおはむっとして言いました。
「ねこじゃない。おれはオオカミだ」
「うっそお、オオカミなんていませんよう」
「おやおや、何にも知らないくせに。おれはオオカミ原っぱで生き残った、最後のオオカミなんだぞう」
 枝の上からおりてきたオオカミは、ゆきおに言いました。

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