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2年生の今月の本


まんげつの夜、どかんねこのあしがいっぽん タイトル まんげつの夜、どかんねこのあしがいっぽん
著者 朽木 祥(作)片岡 まみこ(絵)
出版社 小学館
 

ノネコは、山のねぐらに、ひとりぼっちで暮らしていた。山には、猫のお客はめったにやってこない。それでも、〈もしかしたら、お客があるかもしれないからな〉そう思って作ったごちそうを、毎日毎日、ひとりでたいらげた。ふしぎなことに、食べても食べてもおなかいっぱいにならないような気がした。こうして、ひとりぼっちですごすうちに、ノネコはいつのまにか狸みたいに大きくなってしまったのだ。
ある春の日、ノネコは、いよいよ、さみしくて、さみしくて、たまらなくなって、思いきって、山をおりてみることにした。
さいしょに出くわしたのは、からだのでっかい子犬だった。子犬は遊んでくれそうな相手が大好きで、ノネコを見つけて大はしゃぎ。すごいいきおいで走ってきた。しかし、ノネコの方はちっともうれしくなかった。どこかにかくれるところはないかと必死であたりを見まわした。あった! 野原のちょうどまんなかあたりが小高くなっていて、そこにごろんと土管がころがっていたのである。ノネコは、土管にとびこんで、死にものぐるいで、からだをおしこんだ。でっかい子犬は、土管のまわりをぐるぐるまわって、ふんふん言った。しかし、ノネコがじっと動かないので、じきにあきらめて別の遊び相手をさがしにかけだしていった。〈やれやれ〉ほっとしたノネコは、大きなため息をついた。そして、土管からぬけようとすると、なんということか、前にもうしろにも動けない。…ノネコは、土管にはまってしまったのだ。

●野原の真ん中にあった土管は、猫たちがまんげつの夜に言いたいことを“主張”する特別な舞台でした。けれども、今その土管にはノネコがすっぽりとはまっています……。さて、今夜はまんげつ。月の光の下、猫たちが集まってきました。集会の始まりです。ひとりぼっちだったさびしいノネコのまわりで、これからどんなことが起こるのでしょう。

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