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タイトル | タンポポざむらい | |
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著者 | 今江 祥智(作) 長 新太(絵) | |
出版社 | ポプラ社 | |
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むかし、まだ みんなが 頭にちょんまげを のせていたころの話――といっても木田一平太のばあいは、ちょっとばかり話がちがいました。子どものころは ふつうだったのに、いざ元服をするころになると、かみの毛が きゅうに うすくなってしまったのです。気がついてみれば、タンポポのわた毛のように ふうわりしたのが、うっすらと のこっているばかり……。はかまをはき、かみしもをつけ、刀をさして、すがたかたちは りっぱなさむらいなのに、頭がタンポポのわた毛のようでは、どこかしまらない。そんな一平太の頭を見ては、みんなは よこをむいて 小さくふきだしました。とうさんかあさんは 心をいため、いしゃや くすりやに たのみまわりました。けれども、一平太は平気でした。ちょんまげが なくても、さむらいとしてのしごとは ちゃんとつとまると考えていましたし、じっさい、一平太はなにをさせても、おない年のなかまよりも だんぜん うまかったのです。 ●お侍の一平太は、成長するにつれて髪の毛が抜け、いつしか頭がタンポポのわた毛のようになってしまいました。わた毛のようなんて、かわいらしいと思うかもしれませんが、その風貌のために一平太は侍として生きる道を絶たれてしまいます。侍として生きていけなくても、その後もひたすら自分の信念をもってまっすぐ生きていく一平太の姿が描かれています。 |