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2年生の今月の本


王さまのスプーンになったおたまじゃくし タイトル 王さまのスプーンになったおたまじゃくし
著者 さくら 文葉(作) 佐竹 美保(絵)
出版社 PHP研究所
 

 大きなおしろのすぐそばの小川で、たくさんのおたまじゃくしが生まれました。その中にいっぴき“おなかすかし”のおたまじゃくしがいました。「おなかがすいたなぁ……。どこかに おいしいものを おもうぞんぶん 食べられる ところは ないかしら?」それを聞いていた川辺のやなぎは、おたまじゃくしの食いしんぼうぶりに、なんとかしてやりたいものだとおもいました。「そうだ。北風にたのんで、おまえをつめたい風で、コチコチにかためてもらおう。すると、おまえは、黒光りするスプーンそっくりになるだろう。そうして王さまのスプーンになれば、いつだって王さまといっしょに、おいしいごちそうが食べられる」おしろの王さまはおもうぞんぶんごちそうを食べているのです。「ぼく、りっぱな王さまのスプーンになります!」そうして おたまじゃくしは、北風にいきもこおるくらいのつめたい風をふきかけてもらい、王さまの元へとはこばれていったのでした。
 さて、夜の七時、広いしょくどうのテーブルで、スプーンになったおたまじゃくしは、じぶんのでばんをまっていました。王さまがサラダを食べおわると、次はスープです。王さまの手が、おたまじゃくしのしっぽ、いえいえ、スプーンのえをつかみ、そうっとスープのなかにしずめると、あたたかなスープがおたまじゃくしのからだをつつみました。

●真っ黒なスプーンに変身して、王さまの食卓にやってきた食いしんぼうのおたまじゃくしですが、王さまもすぐに「おかしいな」と異変に気づきます。それもそのはず、スプーンですくったはずのスープやシチューが口に入れたときにはなくなっているのですから。「おいしいものがたくさん食べたい!」というおたまじゃくしは、この先スプーンとしてうまくやっていけるのでしょうか。

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