トップページ > 読書案内 >  2年生の今月の本 > 2年生におすすめの本
 > りりちゃんのふしぎな虫めがね

2年生の今月の本


りりちゃんのふしぎな虫めがね タイトル りりちゃんのふしぎな虫めがね
著者 最上 一平(作) 青山 友美(絵)
出版社 新日本出版社
 

『しっている人にあいませんように』外に出ると、りりはいつもドキドキしてしまう。だれかに声をかけられると、きんちょうして、どうしていいかわからなくなってしまうのだ。だから、ほんとうは行きたくないけれど、ゆうきをだして学校に行っている。
校門の前で、りりは大きくしんこきゅうをして、ポケットのなかの虫めがねを、ぎゅっとにぎりしめた。虫めがねは、りりのないしょの友だちだ。ある日、虫めがねがなにかをいっている気がして、りりは虫めがねで校門のなかを見てみた。すると、学校の中はすいぞくかんのような海の中にかわった。校門を一歩ふみだせば、そのとたん、みんな魚やイカやタコ、海の生き物になる。あたまから下は人、魚にんげんだ。一年生の教室でも、みんな海や川の生き物にみえる。サンマ・アジ・クマノミ・イソギンチャク・チョウチンアンコウに、ハリセンボン。りりはいすにすわって、じっとおよぎまわる魚のみんなをみていた。だれもわたしのところには、こないで。はなしかけないで。ここに、わたしはいません。りりはじぶんのすがたをかくすように、小さく小さくなっていた。

●1年生のりりは、人と話をするのが得意ではありません。いつしか、虫めがねを通して見る世界で、学校を海の中に、友だちを海の魚たちに置き換えられるようになります。透明人間になったように周りの人と話すのを避けるりりは、いつか心を開くことはできるのでしょうか。

Page Top