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2年生の今月の本


わすれんぼっち タイトル わすれんぼっち
著者 橋口 さゆ希(作) つじむら あゆこ(絵)
出版社 PHP研究所
 

「まって、まってよ、メグちゃん! おねがい、おいていかないでー!」今日はせっかくメグちゃんとおでかけしたのに、黄色のカサのぴかちゃんをのせたまま、電車は走りだしました。しゅうてんのえきでえきいんさんに見つけられたぴかちゃんは、「わすれものセンター」につれてこられ、「624」と書かれたふだをつけられました。まわりには、同じようにふだをさげたカサたちがたくさんあります。
 わすれものセンターは、電車におきわすれられたものたちをあずかるばしょ。わすれものたちは、もちぬしさんがむかえに来てくれるのをここでじーっとまちます。そして、一週間たつと「はなれ」とよばれるおくのへやのたなに行かされてしまうのだそうです。となりにいた大きな黒いおじいさんカサや星もようをちりばめたむらさきのきれいなおねえさんカサがおしえてくれました。「はなれに行ったものたちは、みーんなわすれんぼっちになってしまうんですって」わすれんぼっちとは、わすれさられ、一人ぼっちになり、もう二どともちぬしに会えることのないものをそうよぶのだそうです。「わたし、わすれんぼっちにならないもん! ぴかちゃんって名前があるんだもん!」ぴかちゃんはぷるぷるっと黄色のドレスをふるわせました。

●夜になると明かりの消えた「はなれ」からは、わすれんぼっちたちのすすり泣く声が聞こえてきました。わすれものたちには、みんな大好きな持ち主との大切な思い出があるのです。『今日からあなたは、おひさまぴっかりのぴかちゃんよ』ぴかちゃんもメグちゃんとの楽しい思い出があり、自分のことを思い出してほしいと強く祈ります。ふだんあまり目を向けることのない“もの”たちに思いを馳せながら読んでみてください。

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