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2年生の今月の本


たんじょう会はきょうりゅうをよんで タイトル たんじょう会はきょうりゅうをよんで
著者 如月 かずさ(作) 石井 聖岳(絵)
出版社 講談社
 

 今年のたんじょう会は、ほんかくてきにしよう。ずっとまえからそうきめていた。ほんかくてきなしょうたいじょうを作って、ほんかくてきな部屋のかざりつけをして、母さんにも、ほんかくてきなりょうりをたのんでおいた。じゅんびはかんぺきだ。
「いらっしゃいませ。しょうたいじょうを、はいけんします」たんじょう会の日、ぼくはテレビできいたせりふをまねてあいさつをした。しょうたいじょうをたしかめると、むねに手を当てて、ふかぶかとおじぎをした。「すげえ、ほんかくてきじゃん」と、おなじクラスのともくん。
 しょうたいじょうをおくった友だちは、もうだいたいあつまって、せきについていた。部屋のまんなかのテーブルは、おいしそうなりょうりでいっぱいだ。あとはちいくんだけ。もうすぐたんじょう会をはじめる時間だから、そろそろ来ると思うんだけど。みんながりょうりをまちきれないでいると、げんかんのチャイムがなった。やっと来た。ちいくんだ。「いらっしゃいませ、しょうたいじょうを……」げんかんにとんでいって、ドアをあけて、そのあいさつのとちゅうで、ぼくは声が出せなくなってしまった。ドアのむこうに、とんでもない相手がいたからだ。
 ごつごつした緑色のからだに、ちょっとカバっぽい顔。そこにいたのは、まちがいなくきょうりゅうだった。「時間におくれてしまって、すみませんであります。本日は、おまねきいただきありがとうであります」きょうりゅうは頭にちょこんとのせていた、手品師みたいなシルクハットをとって、ていねいにおじぎをした。

●念願の“ほんかくてきな”誕生会に、何かの手違いできょうりゅうがやってきてびっくり。しかし、このきょうりゅう、食べ方も言葉遣いもとってもお行儀がいいのです。それもそのはず、この日のために失礼がないようにいろいろ練習や勉強をしてきたというのですから。そんな礼儀正しいきょうりゅうに、たった一つ、不自然なところを“ぼく”は発見します。それを指摘すると、途端に大あわて。何をごまかそうとしているのでしょうね。

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