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> 魔女ののろいアメ
タイトル | 魔女ののろいアメ | |
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著者 | 草野 あきこ(作)ひがし ちから(絵) | |
出版社 | PHP研究所 | |
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「おねえちゃんなんか、だいきらい」サキは、小石をけりながら歩いていました。かたに かけているバッグには本が十五さつも入っていて、重くてたまりません。今日までに返さなくてはならない図書館の本です。おねえちゃんは自分で返すといっていたくせに、さっさとお友だちのところに遊びにいって、サキが返してくることになってしまったのです。「おねえちゃんの、ばか」 カァー すぐそばで聞こえたカラスの鳴き声におどろいて顔をあげると、歩道にいつもはない小さな屋台がひとつでていました。屋根には『アメ屋』と書かれています。屋台の向こうがわで、黒いぼうしをかぶってメガネをかけたおばあさんが手まねきしていました。台にさして立てられたぼうつきの丸いアメは、かわいいお花がさいているみたいです。「おじょうちゃんに おすすめの、とっておきのアメが あるんだけどね」おばあさんは そういいながら、屋台のうらがわから、丸くて小さなビンを取りだしました。とうめいの のりのような どろっとした ものが入っています。おばあさんは からだを乗りだしてきて、ささやきました。「実は、あたしはね、魔女なんだよ。おじょうちゃんに わたしたアメは、『のろいアメ』というんだ。だれかさんの悪口を十こいいながら中身をまぜると、かたいアメに なるんだよ」のろいアメは、食べると あまりの まずさに気絶して、まる一日 目がさめないといいます。「おねえちゃんの悪口で作ったのろいアメを、おねえちゃんに食べさせてやるといいよ。妹に重い本を持たせる悪いおねえちゃんには、少しくらい ばつを あたえなくちゃ」 ●気絶するなんてこわい気がしつつも、魔女にうながされるまま、サキはのろいアメを受け取ってしまいました。おねえちゃんの悪口なら、十こどころか二十こでも三十こでも言えそうです。いばりんぼうで、ずるくて、うそつきで……。でも、一つひとつ口に出すうちに、おねえちゃんのかっこいいところや やさしいところも思い出してきて……。こうしてできあがったのろいアメ、サキは本当におねえちゃんに食べさせてしまうのでしょうか? |