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2年生の今月の本


ふたりはとっても本がすき タイトル ふたりはとっても本がすき
著者 如月 かずさ(作) いちかわ なつこ(絵)
出版社 小峰書店
 

「これ、ぜんぶ かしてください!」「はい、きょうも たくさん かりるのね」図書館のお姉さんが にっこりして バーコードを機械でピッピッと読みとっていきます。チーターのチッタちゃんが かしだしカウンターで うずうずしながら まっていると、のんびりした声がきこえました。「あれぇ、チッタちゃんだあ」ふりむくと、おなじクラスのカバのヒッポくんが、ゆらゆらと手をふっていました。「チッタちゃん、たくさん かりるんだねえ」ヒッポくんはカウンターに つみあがった本の山を見て、目をまるくしました。
「そっちの あなたは、本の へんきゃくかしら?」チッタちゃんの本がおわって、カウンターのお姉さんが そういうと、ヒッポくんはカバンから一さつの本をとりだしました。本の表紙には ひまわりばたけの絵が えがかれています。チッタちゃんも読んだことが ある本でした。「あのぉ、この本、きょうまでに かえさなくちゃ いけないんですけど、まだ最後まで よみおわって ないんです。だから、つづけて かりても いいですか?」ヒッポくんが かりている本は、その 一さつだけの ようです。チッタちゃんは 十さつ ぴったり かりても、いつも本をかえす日よりまえに、すべて読みおえてしまうのに。(ヒッポくんって しゃべるのも あるくのも ゆっくりだけど、本を読むのも ゆっくりなのね。わたしだったら、一日で読めちゃうのに)チッタちゃんは びっくりしました。けれど、それから すぐに カバンに つめた本を見て思いました。そうそう、そんなことより、はやく帰って この本を読まなくちゃ、って。

●お話のつづきが気になって、次から次へとものすごいスピードで読んでしまうチーターのチッタちゃん。文章をゆ~っくり何度も何度も味わいながら読んでいるカバのヒッポくん。二人とも読書が大すきなのは共通しているのに、楽しみ方は対照的です。チッタちゃんは、今までおもしろい本を読んだ後は、いつも幸せな気もちになるのに、ヒッポくんのように読んだ本の中身をきちんといえないのではダメなんじゃないか……、とおちこみますが、ヒッポくんにも悩んでいるところがあるようなのです。

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