ぼくはシロサイのライノ。

　ぼくには、友達がいない。みんなぼくがおしゃべりだからって、友達になってくれないんだ。

　そんなある日、ぼくが水を飲んでいると、一羽のサイトリが、ぼくのおでこにちょこんととまった。サイトリは、サイの虫を食べてくれるトリだ。今まで、ぼくにサイトリがついてくれたことはない。それもぼくが、おしゃべりだからだ。

「やあ、こんちは」
ぼくは、愛想よくあいさつをした。すると、サイトリは驚いたように、ぱあっと飛び上がった。
「わたし、岩かと思ってた。わたし、ちかめなの」
サイトリが自分のことを話してくれたので、ぼくも自分のことを話そうと思った。
「ぼくのとこにずっといてもいいけど、ぼく、すごくおしゃべりなんだ。うるさいから、だあれも、よってきてくれないんだ」
「いいの。その分だけ、わたししゃべらないわ」
こうして、ぼくたちは友達になったんだ。