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2年生の今月の本


月あかり洋裁店 タイトル 月あかり洋裁店
著者 ひろい れいこ(作) よしざわ けいこ(絵)
出版社 PHP研究所
 

うら通りに小さなお店ができました。名まえは「月あかり洋裁店(ようさいてん)」おきゃくさんの ちゅうもんに あわせて、洋服を作ったり、直したりするお店です。このお店の主人は月村あかりさん。あかりさんは、大きな町の大きな洋服屋さんで はたらいていましたが、(もっと すてきな服を作りたいな)という思いが日に日にふくらんで、コツコツためたお金をもとに、自分のお店をもつことにしたのです。
お店をはじめると、何人も おきゃくさんが やってきました。「むなもとに たっぷり フリルを入れましょう」「スカートは みじかめがいいですよ」あかりさんは はりきりました。でも、はりきれば はりきるほど、おきゃくさんは うつむいて、「ええ、そうねえ……」「うーーん、どうかしら」と、さいごには きまって、「また こんどに するわね」と帰ってしまいます。「どうしてかしら……」お店をひらいて、ちょうど一月がたつころ、お店には だれも来なくなってしまいました。ミシンには うっすらと ほこりが かぶっています。「お店をしめよう」なみだが ポロリとこぼれ、あかりさんが、そう けっしんした時です。トントン。とびらを たたく音がしました。「こんばんは、あけてくださいな」小さな声が聞こえました。なみだを ふいて いそいで とびらをあけると、「え?」あかりさんは ぽかんと口をあけました。そこには、大きな ふろしきを せおった白いうさぎが立っていたのです。

●せっかく開いた自分のお店を閉める決心をしていたところに、うさぎのお客さんがやってきました。月にすむという月うさぎからの注文は、「月の光をおりこんだぬので、今夜中にハンカチを作れるだけ作ること」。服をたのみに来たわけではないけれど、あかりさんは最後にがんばってみることにしました。

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