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2年生の今月の本


めそめそけいくん、のち、青空 タイトル めそめそけいくん、のち、青空
著者 矢部 美智代(作) 長田 恵子(絵)
出版社 学研
 

 らいしゅうから、ニがっきが はじまります。けいくんは、まい日、クマの さんぽにでかけています。クマは、けいくんの たんじょう日に おとうさんが もらってきた子犬です。むくむく、ころころして、とてもかわいい、まっくろな子犬です。けいくんは、クマに えさを やるかかりから、リードを しっかり もてるようになったので、ひとりで おさんぽに つれていくかかりにも なりました。
 いえのとなりは、あきちで はらっぱです。はらっぱの すすきは、だんだん たかくなってきました。白いほが、かぜで ゆらゆら ゆれています。「クマ、ぼくと かけっこする?」「クウン」クマは うれしそうに しっぽをふりました。「じゃあ、いくよ。よーい、どん!」すすきと すすきの あいだや、ひまわりの まわりを ぐるっと はしります。けいくんが はしるのを やめても、クマは まだリードをひっぱります。「クマ、はしるの、すきなの?」「クウン」「ぼくも、はしるの すきだよ。ぼくとクマ、いっしょだね」けいくんは、そのとき気がつきました。クマに おもったことを、ちゃんと はなせているのです。――けいくんは、かんがえていることを はなすのが、じょうずでは ありません。いいたいのに、すぐに いえないとき、どきどきして、そのうち かなしくなって、ことばより先に なみだが ぽろりっ。そんな けいくんを「めそめそけいくん」とからかう子もいました。――「クマ、ぼくね……」うれしくなって、もっと はなしたくて、そう いいかけたときです。だれかが、見えました。しらない女の子がクマとけいくんを見ていました。

●けいくんは思っていることをうまく言えなくて、「めそめそけいくん」とからかわれています。そんなけいくんが、夏休みにかいはじめた子犬のクマと触れあううちに、クマだけには自然と思っていることを話せるようになっていきます。そして、嬉しいこと、言いたいことをもっとちゃんと友だちにも伝えたいと強く思うようになります。けいくんのように、自分の思いをなかなか言葉で伝えることが難しいなと感じているお子さんには、勇気がもらえるお話かもしれません。

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