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> はるかちゃんが、手をあげた
タイトル | はるかちゃんが、手をあげた | |
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著者 | 服部 千春(作) さとう あや(絵) | |
出版社 | 童心社 | |
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二ねん二くみ、あさの教室です。「……つぎ、木村はるかちゃん?」(はい……)はるかは、へんじのかわりに、小さくうなずきました。じつは、二ねん二くみのほとんどの人は、まだ、はるかの声を、きいたことがありません。はるかは、しゃべれないわけではありませんが、学校で話すのは、こわくて、すごくはずかしくて、できないのです。山口先生は、いつもにっこりして、はるかにいいます。「いいのよ、はるかちゃん。話したくなったら、いつでもいってね。小さくでいいから、手をあげてくれてもいいわよ」でも、はるかは、やっぱりこくんとうなずくだけです。「はい」なら、こくんとうなずいて、「いいえ」なら、首をよこにふります。だれとも、しゃべらなくても、だいじょうぶ。それは、それで、気がらくちんでいいなと、はるかはおもっています。学校がきらいなわけではありませんし、勉強だってたのしいです。でも、だれともしゃべらないことに、はるかも、なれっこになってしまったのです。 ●入学してから一度もしゃべったことがないはるかは、ある日のせきがえで、あきらくんと となり合わせになりました。あきらくんはクラスで一番元気いっぱいの男の子。いつも楽しそうなわらい声でいっぱいのあきらくんの横で、はるかはただじっとしているだけでしたが、あるとき、思わず「あっ」と小さく声をあげてしまいます。そして、その声をあきらくんに聞かれてしまったのでした。 |