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2年生の今月の本


キングの最高の日 タイトル キングの最高の日
著者 ウルフ・スタルク
出版社 偕成社
 

 夏休みがはじまったばかりのことです。

 五人は、小屋がやっと完成したお祝いをしにいくとちゅうでした。ほんとうにいっしょうけんめいにつくった小屋なので、みんなできあがって大喜びなのです。

 ヨッヨは、ペギーとロッフェ、シバート、そしておおがらなチビのうしろで歩いています。ヨッヨはぼうしをまぶかにかぶり、めずらしいことに犬のキングをひもについないで、ときどきふりかえってはキングがついてきているか見ていました。
「走らなきゃいけないのか? キングのことを考えろよ!」
 ヨッヨはいいました。ほかのみんなは鼻でわらいました。キングがついてこられないって? このワン公は、よくみんなをずるずるひっぱっていくじゃないか。キングは、アイルランドの狼犬とシェパードの雑種で、みんなの知っているなかでも、もっとも強い犬のうちの一匹なのです。

  ある鉄柵のまえで、キングはきゅうに立ちどまってほえはじめました。耳の鼓膜がやぶれそうです。
「かわいそうに。すっかりいかれちまってる。」
とヨッヨはいいました。
「でも、どうにもならないんだ。」

  ヨッヨの声はへんなかんじでした。

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