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2年生の今月の本


しらゆきちりか ちっちゃいな タイトル しらゆきちりか ちっちゃいな
著者 薫 くみこ(作) 大島 妙子(絵)
出版社 PHP研究所
 

(きょうも学校に行くのか)あさ、おひさまの光が、まぶしく光っているのに、しおしおしお……と気もちが ちぢんでしまいました。なんで わたしが、そんなに学校に行くのが いやかというと、うしろのせきに、ライオンがいるからです。
 学校に行ったさいしょの日、きょうしつの男の子たちに ひとり大きな子がいて、「うおーーっ」と大きな声でほえながら プロレスをしていました。こわくて大きくて、なんだか ライオンみたいだなあ、とおもったら、だんだん ライオンに見えてきました。ライオンのなまえは「すずき たいすけ」。せきは あいうえおの じゅんばんに なっています。それで、わたしの うしろのせきには、いつも ライオンがいることに なったのです。
 「うおーっはよう、ちびか。めし食ってきたか?」まいあさ ライオンは、こんなふうに どなってきます。わたしは、その声にびくっとして、「おはよう」とだけ、あいさつします。それから、わたしはハリネズミのように、せなかの見えないはりを 力いっぱいさかだてて、(くるな くるな くるな!)といかくしますが、ライオンは そんなこと おかまいなしに、わたしのおさげを ひっぱったり、『うさぎとかめ』とか『シャボン玉』とか、いろんなうたを かえうたに したりして、わたしをからかって みんなでわらいます。前のせきの さとうさんは、「すずきくん、ちりちゃんがすきなんだよ」といいますが、そんなことは ありません。大すきな きゅうしょくのプリンを たべちゃったり、ふでばこに カエルを入れたり……。すずきくんは あばれんぼうのライオンなのです。

●「しらゆき ちりか」の後ろの席に座っている「すずき たいすけ」。いつも『ちびか』とからかってくるすずきくんは、まるで あばれんぼうのライオンのよう。だから、ちりかは毎朝学校に行くのが憂鬱です。体も声も大きくて、かけっこやボール投げなど、運動なら何をやっても一番なライオンですが、めずらしくできないことがありました。苦手な子…と思っていたのに、ふとしたことがきっかけでその子の印象がガラリと変わる……そんな気持ちの変化が丁寧に描かれています。

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