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2年生の今月の本


タヌキのきょうしつ タイトル タヌキのきょうしつ
著者 山下 明生(作) 長谷川 義史(絵)
出版社 あかね書房
 

 すこしむかし、ひろしま市の のぼり町というところに、ひろしま県で はじめての小学校が できました。校庭には、クロガネモチの木があり、そのねもとには、いつからか ほらあなができ、タヌキの一家が すみついていました。タヌキのお父さんは、学校に かよってくる せいとたちを のぞいて見ながら、「どうやら、これからの世の中は、だれでも かれでも べんきょうせんと いけんようじゃな。タヌキの子どもにも、きょういく というのが ひつようらしい」とかんがえました。それには まず、きょういくが どんなものか、じぶんで たしかめなければ なりません。そこで、タヌキのお父さんは、にんげんの子どもに ばけて、一年生のきょうしつに こっそり もぐりこみました。さいしょの日から、お父さんダヌキは、アイウエオや さんすうの べんきょうに むちゅうになりました。「べんきょうって、なんておもしろいんだ! ぜひとも うちの子どもたちにも、きょういくを うけさせるとしよう!」そうはいっても、おおぜいの子ダヌキを、にんげんの子どもと いっしょに べんきょうさせるのは どうにも しんぱいです。タヌキ父さんは、だれもいない よるの きょうしつをかりて、タヌキの子どもたちに べんきょうを おしえることにしました。

●ちょっぴり昔の広島の町で本当に起こったことを題材にしたものがたりです。夜のタヌキたちの教室は、あるとき教頭先生が気づいたことをきっかけに、どんどんうわさが広まり、新聞に載るまでになりました。月日が過ぎても、タヌキたちは孫タヌキやひ孫タヌキが代わる代わる先生をつとめて勉強を続けましたが、世の中は明治から大正、昭和へとうつりかわり、日本じゅうが戦争一色となっていきました。戦渦の広島でタヌキたちはどうなってしまったのでしょうか。

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